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糖尿病とは

近年の日本人にとって関係の深い病気の1つとなっている糖尿病は、2007年の国民健康・栄養調査結果によると、その数は、糖尿病が強く疑われる人、可能性が否定できない人を合わせると約2210万人とされています。つまり日本人の6人に1人は糖尿病の疑いがあることになります。これらの数値は年々増加の傾向にあり、今後の動向にも注目しなければならない問題となっています。

糖尿病とは大雑把に説明しますと、血液中の糖分(血糖値)が過剰(高血糖)な状態が続くために、様々な障害を引き起こす病気です。また、糖尿業は合併症として網膜症、腎症等の原因にもなるため、日常から食事や生活習慣に気をつけることで糖尿病を予防し、もし罹患してしまった場合は早期の治療を行うことが望まれます。予防・早期の治療のためには定期的に検査を受け、糖尿病の診断基準となる血糖値等の検査値を把握しておくことが重要です。

糖尿病の診断基準は次のとおりです。

 ●糖尿病の診断基準

① 空腹時血糖値が126mg/dl以上

② 75gブドウ糖負荷試験実施2時間後の血糖値が200mg/dl以上

③ 随時血糖値が200mg/dl以上

④ HbA1cが6.5%以上(NDSP値)(JSD値6.1%)

①~③いずれかに該当した場合は、次のいずれかの条件を満たすと糖尿病と診断されます。

(1) 診断基準④の存在

(2) 糖尿病の典型症状

(3) 確実な糖尿病網膜症

上記(1)~(3)に該当しなかった場合は、糖尿病と診断されず、再検査となります(なるべく1ヵ月以内の実施)。

再検査において、①~④のいずれかに該当した場合は糖尿病と診断され、いずれにも該当しなかった場合は糖尿病「疑い」となります。

また、診断基準④のみ該当した場合でも、糖尿病とは診断されず、同様に再検査となります(なるべく1ヵ月以内の実施)。この場合は、再検査の結果が①~③のいずれかに該当すると糖尿病と診断されますが、再検査で再び④のみ該当した場合、もしくはいずれにも該当しなかった場合は 糖尿病とは診断されず、糖尿病「疑い」となります。

再検査で糖尿病「疑い」と診断された場合は、3~6ヵ月以内に再度検査が実施されます。

2010年7月1日より、従来からの診断基準であった①~③に加え、④の「HbA1cが6.5%以上」 が新たに診断基準に加えられました。従来の診断基準でも補助的な項目として採用されていましたが、HbA1cは慢性の高血糖状態を反映する指標として有用であること、また検査が行いやすいということもあり、診断基準の1つとして扱われるようになりました。また、これまでは糖尿病と診断するためには2度の検査を別の日に行わなければなりませんでしたが、今回の改訂により、検査を実施した日の内に糖尿病と診断することができるようになりまさした。これにより、多くの患者を診断、治療の早期開始ができるようになるのではないかと期待されています。 

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東洋ヘルスアカデミー
代表 高橋 雅人(薬学博士)


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