関節の痛みにグルコサミン

近年、関節痛に悩まされている人は多く、厚生労働省「平成16年国民生活基礎調査」の「性・年齢階級別にみた通院者の上位5傷病」によると、75~84歳、85歳以上の女性においては、高血圧症、腰痛症、白内障、骨粗鬆症に次いで第5位に「関節症」が挙げられています。また、厚生労働省は関節痛の主な疾患の1つである変形性膝関節症の患者数は、自覚症状を有する患者は約1000万人、自覚症状のない潜在的な患者は約3000万人と推定しています。

変形性膝関節症の原因としては、激しい運動や加齢により、軟骨のすり減りや筋力の低下などにより関節への負担が増加してしまい、これらが関節炎や関節痛を引き起こすといわれています。変形性膝関節症になると、歩行時の痛みや、座る・立つ、階段の昇り降りといった動作がつらくなるなどの症状が現れます。

変形性関節症の原因の1つである軟骨のすり減りを防ぐためには、軟骨の形成成分の材料となるグルコサミンやコンドロイチンの摂取がよいといわれています。アメリカ国立衛生研究所(NIH)が行った臨床試験1において、グルコサミン1500mg、コンドロイチン1200mgを24週間投与し、痛みの改善や副作用の発現の評価がされたところ、中等度から重度の痛みを持つ患者(約350人)において、統計学的に有意に痛みを緩和したと認められました。副作用は3例認められましたが、それは胃不調など、軽度な症状でした。この臨床試験の結果から、グルコサミンの摂取目安量は1500mgと考えられています。

グルコサミンを含む食品としては、カニ、エビの外殻や、ヤマイモ、オクラなどのネバネバなどが挙げられます。しかし、これらの食品に含まれるグルコサミンは、動物性食物繊維であるキチン、キトサンや、ムコ多糖として存在しています。これらは人の体内では消化・分解されにくいため、摂取してもグルコサミンとして吸収されにくいといった性質があります。そのため、日常の食事からではグルコサミン1500mgを摂取することは困難と考えられます。

したがって、グルコサミンを摂取する方法としては、グルコサミンそのものを含んでいる医薬品又はサプリメントを利用することが有効な手段の1つといえます。しかし、医薬品又はサプリメント利用開始後すぐに効果が現れるわけではありません。効果の現れ方には個人差がありますが、4週間以内に効果を実感する方が多いようです。数日間利用して、効果が実感できなかったとしても、利用を続けることが重要と考えます。

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